SR311フェアレディという車の名前を聞いたことがある人は多くないかもしれませんが、旧車ファンにとっては伝説的な存在です。特に1960年代に登場したこの車は、その時代のスポーツカーの象徴とも言えるモデルで、今でも多くの愛好家に愛されています。しかし、今回紹介するのは、ただのSR311ではありません。10年ほど前、錆びだらけでボロボロになった一台が、オーナーの情熱と驚くべき修復技術によって蘇った奇跡の物語です。
すべては、友人がVANショップ時代に手に入れた一台のSR311フェアレディから始まりました。購入時の状態は、まさに「見るも無残」なものでした。ボディには無数の錆が広がり、穴だらけ。雨が降るたびに車内には水が浸入し、ガムテープで補修された箇所がいくつもありました。外装だけでなく、内装もひどく、シートやダッシュボードは経年劣化でボロボロ。しかし、この車はまだ動く状態にあり、驚くべきことに、オーナーはそのボロボロの状態で横浜から岐阜まで自走することを決意します。
横浜から岐阜までの道のりは、距離にして約300km。普通ならば、この距離を錆びだらけの旧車で走破するのは無謀としか言いようがありません。
しかし、友人はこの挑戦に果敢に挑み、見事にその距離を走り切りました。その姿を目の当たりにした時、多くの人が驚きを隠せませんでした。
最初にSR311を目にしたとき、誰もが「これはもう復元不可能だ」と思ったに違いありません。メッキパーツも欠品し、ボディはまるで廃車寸前のようでした。しかし、オーナーは諦めることなく、車を蘇らせるためにすぐに修復作業を開始しました。まずは、錆びついた部分を取り除き、ボディの補強作業を始めます。雨漏れもひどかったため、シール部分の修理にも時間がかかりました。
特にボディの修復には膨大な時間と費用がかかりました。普通であればこの時点で心が折れてしまいそうなものですが、オーナーの情熱は冷めることはありませんでした。全国のSR311専門業者に問い合わせを行い、ついに北海道にいる職人から新品のボディパーツを取り寄せることに成功。職人技が光るこのボディは、まさに奇跡的な再生を見せ始めました。
修復作業は突貫工事のように進められましたが、それでも作業には1年以上の月日がかかりました。車の骨組みから細部に至るまで、オリジナルに忠実に復元しようとするオーナーのこだわりが、次第に形となって現れていきました。特に難しかったのは、オリジナルのパーツが既に入手困難になっていることです。現代では、多くの旧車ファンが直面する問題ですが、これを乗り越えるために、全国のマニアや専門業者とネットワークを駆使して必要な部品を集めました。
外装が復元されただけでなく、エンジンや足回りも完全にオーバーホールされ、SR311はその本来の性能を取り戻しました。塗装も新たに施され、当時の輝きを再び放つことができました。特にその赤いボディは、晴れた日に見るとまるで新車のように美しく輝き、その姿は道行く人々の目を釘付けにしました。
引用元:https://www.facebook.com/groups/242658989258452/permalink/2446336652223997/?sfnsn=mo&ref=share,記事の削除・修正依頼などのご相談は、下記のメールアドレスまでお気軽にお問い合わせください。[email protected]