休日の午後、特に目的もなく街を歩いていると、ふと視界に入ったのがあの懐かしの車、日産グロリアの姿でした。中古車屋の敷地に静かに佇むその姿は、まるで時代を越えてやってきたかのよう。赤いボディが輝き、アメ車を思わせる堂々とした佇まいが、ひと際目を引きました。古き良き時代を感じさせるその姿に心が惹かれ、気が付くと私は車のそばに立っていました。
グロリアは、どこかアメリカンな雰囲気を纏い、今の車にはない無骨で力強いデザインが特徴的です。丸みを帯びたボディラインと、それを引き締めるシャープなエッジが絶妙に融合しており、走りのパワーを予感させます。特に、このモデルはマニュアルミッションを搭載しており、車好きにとってはまさに宝石のような一台です。
ドアを開けて内装を覗き込むと、シートのコンディションが驚くほど良い状態でした。年式を感じさせない、しっかりとした革張りのシート。少しの擦れはあるものの、それがかえって「歴史」を感じさせ、車にさらに愛着を覚えさせます。インパネには当時の最新技術であったパワーウィンドウが装備されており、手触りがなんとも言えない懐かしさを引き立てます。
中古車屋のオーナーが近づいてきて、このグロリアについて話し始めました。「これは見つけるのが本当に難しい車なんですよ。長年、趣味で集めていたオーナーさんが手放すことになり、うちにやってきたんです。」彼の話を聞きながら、私はこの車の歴史を想像せずにはいられませんでした。これまでどんな道を走ってきたのか、どんな景色を見てきたのか。車とオーナーの間に刻まれた数々の思い出が、今目の前にあるような気がしました。
「このグロリアは、エンジンの調子もとても良いんですよ。試乗してみますか?」とオーナーは微笑みながら勧めてくれました。迷うことなくキーを受け取り、エンジンをかけると、その音が耳に心地よく響きます。静かな低音が、パワーのある走りを約束しているかのようでした。
グロリアのシートに座り、ハンドルを握ると、時代を超えたドライブの始まりです。クラシックなデザインの中に、当時の最新技術が詰まっているのが分かります。マニュアルミッションを操作するたびに、車と一体化している感覚が強まります。
古いけれども決して古臭くない、その完璧なバランスが、この車の最大の魅力です。
試乗を終え、車を降りると、オーナーが少し笑みを浮かべて「どうです?気に入ったでしょう?」と聞いてきました。その瞬間、私はすぐにでもこのグロリアを手に入れたくなっていました。価格について尋ねると、想像以上の価値があると言われ、少し迷いましたが、この出会いを逃したくない気持ちが強くなっていきました。
帰り道、頭の中にはグロリアのことでいっぱいでした。購入の決意は固まったものの、実際に購入するまでの過程が待っていることも分かっています。しかし、このグロリアと一緒に新たな思い出を作りたいという気持ちが抑えられません。購入が決まれば、まずはしっかりとメンテナンスをし、次の時代まで乗り続けられるよう大切に扱いたいと思います。
古き良き時代の車が現代に蘇り、私にその魅力を存分に伝えてくれたこの出会い。時代を超えた存在であるグロリアは、まるで新たな旅への招待状のようでした。私とこのグロリアの物語は、これから始まります。
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